14.松尾潔 2001~2005

ご覧いただきありがとうございます。

今回も前回に引き続き松尾潔さんが手掛けた楽曲を紹介していきます。

なんか全4回くらいに渡りそうな予感がしております...笑

前回は松尾氏が音楽制作に携わり始めてから、平井堅を発掘及びプロデュースし、アルバム2枚がミリオンヒットする2001年頃までの楽曲を紹介しました。

この時点でクリエイターとして十分すぎる活躍を見せている松尾氏ですが、時を同じくして男性デュオCHEMISTRYをさらなる大ヒットに導き、いよいよその手腕は神々しい域に。

今回はそんなCHEMISTRYが大ヒットした2001年頃から、2005年頃までをピックアップしていきます。

前回はかなりマニアックな内容でしたが、今回からはメジャーでも大いに活躍したアーティストが増えてくるので、割と読みやすいかと思います。

いや...そうでもないかも...

最後までご覧いただければ幸いです。



CHEMISTRY 「PIECES OF A DREAM」(2001)

ASAYAN男子ヴォーカリストオーディションにて、約2万人近い参加者の中から晴れてグランプリを獲得、デビューしたCHEMISTRY。川畑要と堂珍嘉邦から成る。このオーディションには現EXILE ATSUSHIやEXILE NESMITHも参加していました。

「CHEMISTRY」という名は松尾氏が名付け、川畑・堂珍二人の歌声が生み出す化学反応という意味が込められています。

本曲「PIECES OF A DREAM」はデビュー曲にしてミリオンヒットを記録。CHEMISTRY、松尾氏両名にとって最もヒットしたシングル曲になりました。

その後リリースされた1stアルバム「The Way we Are」はトリプルミリオンに迫る売り上げを記録。日本の音楽シーンを席巻しました。

当時のR&Bトレンドを意識したサウンドに、スムースな語感の日本語詞が軽やかな抑揚を生み出す。日本語R&Bの金字塔的作品。PVの雰囲気もいい感じ。筆者も死ぬほど聴きましたね 笑



CHEMISTRY 「It Takes Two」(2002)

そんな彼らが2002年に放ったこれまた傑作R&Bナンバー「It Takes Two」

「SOLID DREAM」「MOVE ON」とともにトリプルリードシングルとして発表されました。この2曲も初期CHEMISTRYを代表する名曲。

本曲は作曲とヴォーカルプロデュースに和田昌哉氏(自身もシンガーとして圧倒的実力を持ちながら、多くのアーティストのヴォーカルプロデュースを手がけるカリスマ)を迎え入れた大人の恋愛を熱く歌い上げるソウルフルなナンバー。

終盤に向かって徐々に熱を帯びてくる二人のヴォーカルは鳥肌モノです。こういうのを「歌ぢから」って言うんだと改めて思います。まさしく化学反応(ケミストリー)って感じの曲ですね。

近年再びメディア露出も増え、より油の乗った二人の歌声はさらに成熟、デビュー20周年を目前にさらなる活躍に期待してしまいますね。コロナ収まれ!



Skoop On Somebody(S.O.S.) 「Two of A Kind(S.O.S. meets CHEMISTRY)」(2002)

Vo.のTAKE、key.のKO-ICHIRO、Dr.のKO-HEYからなるR&BバンドSkoop On Somebody。通称S.O.S.。(現在はTAKEとKO-ICHIROの二人体制)

90年代半ば頃から本場USと遜色ないサウンドとVo.TAKEの圧倒的歌唱力で数々の名曲を発表しつつも、ヒットに恵まれるようになったのは松尾氏と制作を共にするようになった2001~2002年頃から。

当時はまだ時代が追いついていなっかたんでしょう。R&Bの草分けと言っていい、実に偉大なグループです。

本曲はそんな彼らが売り上げ的にも充実し始めた2002年、松尾氏の計らいで当時飛ぶ鳥を落とす勢いだったCHEMISTRYとコラボレーションすることで生まれたナンバー。

S.O.S.と松尾氏が共作、提供し、世界初の着うたソングとしても知られるCHEMISTRY「My Gift To You(CHEMISTRY meets S.O.S.)」へのアンサーソングでもあります。

やっぱりTAKEの歌は最高ですね!



Sowelu「across my heart」(2002)

10代半ば頃から芸能界に入り、19歳で松尾氏プロデュースの「beautiful dreamer」でメジャーデビューするsowelu(ソエル)ですが、本曲はそのデビューに先がけレコーディングされた楽曲。

松尾氏が制作にも大きく関与したとすると上記の「beantiful dreamer」でもよかったのですが、今回は個人的に特にお気に入りということもありこちらをチョイス。

楽曲を手がけたのは大物海外クリエイターということもありクオリティはお墨付き。当時まだ10代とは思えない色気のある歌声とセクシーな出で立ちは往年のR&Bシンガーを思わせる雰囲気。

松尾氏が選曲した14曲からなるコンピレーションアルバム「smooth」に初収録されました。

その後もコンスタントに新譜を発表。よりアダルトな路線にシフトしてからの楽曲群も実に魅力的ですね。現在はフリーランスで活動している模様なので気になる方は是非!




山本領平 「Almost There」(2003)

シンガーでありDJ、音楽指導者、作家など幅広い活動で知られる山本領平(現Ryohei)

大学卒業後社会人経験を経て渡米。スティービーワンダーのバンドの元でヴォーカル修行をしていたという異色の経歴を持つ。

スティービーワンダーの元で修行していたこともあり実力は折り紙付きで、透明度の高い繊細な歌声を武器に、様々な楽曲を自由自在に歌いこなします。

本曲は松尾氏プロデュースによるデビューシングル。雨上がりを思わせる軽快ながらも優しいサウンドに、抑揚の効いた美声が映える名曲。

シンガーのみならず様々な活動をされているので、なかなか難しいと思いますが、また松尾氏とコラボレーションした楽曲を聴いてみたいですね。



川口大輔 「Memory Lane」(2003)

松尾氏が楽曲制作活動をするにあたって欠かすことのできない、いわば全幅の信頼を寄せる男の一人がこの川口大輔でしょう。

作曲家、編曲家として有名で、CHEMISTRYやJUJU、中島美嘉、由紀さおり、土岐麻子、三代目J Soul Brothersなど彼がサウンドを提供してきた面々は数知れず...

また同時にシンガーソングライターでもあり、そのソロ作品の素晴らしさと言ったら!というくらい私も大好きなアーティストです。

彼のソロ作品は全て松尾氏プロデュースの元リリースされているものの、作品の根幹をなすのは彼自身の有り余る才能に他ならず、ヴォーカリスト、メロディーメイカー、ピアニストとして破格の才能を持った男の作品は最高の聴き心地を実現。

特に本曲はブラジリアン系ミュージックをJ-POPとして体現したハイクオリティサウンドが唯一無二。超絶傑作です。

少し前になぜか「しゃべくり007」に出演していましたが 笑



HIBARI 「Back In Love Again」(2003)

HIBARI(ヒバリ)は前回記事「松尾潔1996~2001」で取り上げた葛谷葉子の路線を踏襲する形で松尾氏プロデュースの元デビューしたアーティスト。Vo.KAORI(角口香織)とkey.兼cho.のAYUMI(徳永亜由美)の二人組。二人でHIBARIという少し珍しいユニット名です。(後にKAORIのソロプロジェクトに)

アルバム「modern classics」では葛谷葉子の「same tears」をカヴァーするなど、先述したように葛谷葉子の路線に感じますが、歌声が醸し出す質感は全くの別物。ソウルフルでおおらかな歌唱は他に類を見ない力強さを感じます。

メジャーシーンでの活動期間が短いこともあり知名度は高くありませんが、この曲、上記のCHEMISTRY「PIECES OF A DREAM」や後のEXILE 「Lovers Again」に通じる松尾流セツナカッコイイソングとも言える仕上がりで、知る人ぞ知る名曲。動画がないのが残念!

気になった方は調べてみてはいかがでしょうか?



Tsubaki(椿) 「ヒカリ feat.TAKE(Skoop On Somebody)」(2004)

Tsubaki(椿)は2003年、美空ひばりの「川の流れのように」のカヴァー曲でデビューしたシンガー。デビュー曲が美空ひばりのカヴァーという点にその実力の高さを伺うことができます。

本曲は2004年に発表された2ndアルバム「cotton voice」収録のナンバー。松尾氏が作詞を担当しています。

フィーチャリングには先に紹介したSkoop on SomebodyのVo.TAKEが参加しており、高い歌唱力を誇る二組の極上のデュエットが堪能できる一曲。松尾氏が手がける切なくも優しいリリックがより一層しみますね。シングルとしてリリースしてもいいくらいの楽曲のように思います。

ちなみにこの「cotton voice」というアルバム、松尾氏の他にも、DJ WATARAI、HOME MADE 家族のMICROなどHIP HOP系のアーティストが参加している点も見逃せないポイント。



the Ivory Brothers 「遠景」(2005)

the Ivory Brothers(ザ・アイボリー・ブラザーズ)はヴォーカル山本清人とプログラミングの北田ヒロシからなるユニット。2001年結成。2004年に松尾潔プロデュースの元メジャーデビューしました。

本曲は2005年に発表された2ndシングル。悲壮感漂う山本のヴォーカルに切ないリリックが一層映える名曲。既に破綻していることを感じずにはいられない些細な瞬間に、恋の終わりを予感してしまいますね。

こちらも上記のHIBARI同様知名度は高くありませんが、隠れた実力派。

この山本清人もそうですが、改めて松尾氏がプロデュースを手がけるシンガーたちの歌唱力の高さときたら...って感じですよね...

3枚のシングルのみでリリースが途絶えてしまったのが残念でなりません。

ちなみにヴォーカルの山本清人は現在、実の妹である山本絵里香と「山本兄妹」というユニットを組んで活動しています。



K 「Only Human」(2005)

言わずとしれた韓国出身J-POPシンガーソングライターK。

日本語を母国語として持たないシンガーでここまで生粋のJ-POP歌いは珍しいと思います。

多くのアーティストが出ては消えていく中、日本を拠点に15年以上の間キャリアを積み重ねてきたことに脱帽そして感謝。

ピアノを弾きながら歌う姿はいつ見てもカッコイイです。

本曲「Only Human」はドラマ「1リットルの涙」の主題歌として圧倒的知名度を誇り、今なお多くのアーティストやアマチュアシンガーにカヴァーされるご存知名曲。

松尾氏とKによる国を超えた共演のもと紡ぎ出されヒットした実に感慨深い一曲でもあります。

ただ某主演女優さんに色々ありすぎて、もはやそのイメージの方が強くなってる気がしますが...

少し前には同じく松尾氏プロデュースの元デビューした4人組男性ヴォーカルグループ「Sky's The Limit」が本曲をカヴァーし話題になりましたね。





今回は以上になります。

次回は2006年以降の作品になります。

かの有名なダンス&ボーカルグループが登場します。

R&Bをベースにしながら広くJ-POPであり続けた松尾氏のヒットポテンシャルは止まるところを知りませんね。


最後までご覧いただきありがとうございます。


ではまた次回!

Mellow Voice

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