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日本を代表する音楽プロデューサー松尾潔さんの楽曲を紹介する記事も、遂に4回目となりました。松尾氏が音楽制作に携わりはじめた96年から現在に至るまでの流れは、今回の記事でひとまず終了です。実は次回も松尾さんネタの記事ですが 笑←まだ続くのか
EXILE「Ti Amo」でプロデューサーとして不動の地位を確立した松尾氏は、その後も多くの楽曲制作に携わります。
特に、EXILEを擁するLDH系アーティストとの仕事が増えていきますね。
最後までご覧いただければ幸いです。
BREATHE 「So High」(2013)
2010年、三代目 J Soul Brothersのヴォーカルを選考する目的で開催された「VBA2~夢を持った若者たちへ~」
BREATHE(ブリーズ)はその3万人近い参加者の中、今市隆二や登坂広臣と共にファイナリスト10名に名を連ねた、宮田慧(みやたさとし)と多田和也(ただかずや)からなるヴォーカルデュオ。
ファイナリスト10名の中でも特に高い歌唱力を誇ると同時に、三代目の今市、登坂と年齢が近かったこともあり、三代目 J Soul Brothers最大のライバルと言っても過言ではないでしょう。
オーディションには落選したものの、2011年に松尾氏プロデュースのもとメジャーデビュー。2016年に惜しくも解散するまでにリリースされた楽曲は、全て松尾氏プロデュースということもあり、テン年代以降松尾氏がかなり力を注いだグループだったように思います。
本曲は2013年にリリースされた超傑作サマーチューン。これまでに松尾氏が手掛けてきた様々な夏の楽曲(平井堅 「KISS OE LIFE」、CHEMISTRY 「Point of No Return」等)の集大成と言えるナンバーですね。
JASMINE 「Last Word」(2014)
現在も精力的な活動を続けるJASMINE。2014年発表のベストアルバムに収録された本曲は、またしてもEXILE「Lovers Again」「Ti Amo」等を生み出した松尾氏とJin Nakamuraによる楽曲。(ほんとこの二人の組み合わせ多いな ! 笑)
この二人が制作しているだけあって本曲も美しいメロディーと切なさを前面に押し出した仕上がりですが、やはり印象に残るのはJASMINEの悲哀に満ちた歌声。
相変わらず歌上手いな~って思います。
MVはリリックビデオとも呼べる仕上がりで、浮かび上がる歌詞を見ながら聴いているとなんだかやるせなくなりますね...
にしてもこの映像のJASMINEはいつもより結構大人しめのビジュアルですね。
JUJU「ラストシーン」(2014)
JUJUの27thシングルにしてデビュー10周年記念シングルの第一弾。ドラマ主題歌としてヒットしました。
にしてもJUJUは「素直になれたら」以降、ほんとコンスタントにヒット曲をリリースして安定した人気を保っていますよね。
本曲は別れを決意した女性の激情的でありながらもどこか俯瞰的で、冷めた感情を感じずにはいられないリリックが実に味わい深い一曲。
加えて、迫り来るような疾走感あるサウンドが一切余裕のない登場人物たちの心理状態を表しているような曲でもあります。作曲は川口大輔。
毎度のことですが、松尾氏が手がけるこの手の楽曲は、結構重いテーマが多いですが、すごくカッコよく仕上がりますよね。
JUJUは以降も松尾氏とともに多くの作品を作り上げていきます。最近だと松尾氏と小林武史氏によるコラボレーション楽曲「メトロ」がいい味出してますね。小松菜奈さんがMVに出演しているのも話題になりましたね。
DEEP 「Love Light」(2015)
LDH所属のTAKA、YUICHIRO、KEISEI、RYOからなる4人組ヴォーカルグループDEEP(元COLOR)。2018年にRYOが脱退、2019年には既存メンバー3人にオーディションで選ばれた若手シンガー3名が加わり、6人による新プロジェクト「DEEP SQUAD(ディープ スクワッド)」が始動しました。
本曲は2015年に発表されたDEEPとしては4枚目のアルバム「Love Light」に収録された同名曲。こちらも作曲は川口大輔!←多いな 笑
春を感じさせる爽やかなサウンドに、愛しさ溢れる甘いリリックが際立つ名曲。ほんとDEEPにぴったりの曲だと思います。4人の美しいハーモニーに陶酔ですね。
ホワイトを基調とした衣装に身を包み紳士的な立ち振る舞いで歌う姿は、まさしく和製Boyz II Menと言ってもいいでしょう。カッコイイです。
Sky's The Limit 「楽園」(2014)
Sky's The Limit(スカイズ ザ リミット)は2013に開催されたUK発のオーディション番組「X FACTOR」の沖縄版「X FACTOR OKINAWA JAPAN」のグループ部門にて見事初代グランプリを勝ち取った前田秀幸、若江爵紀、大城貴史、山本卓司からなる4人組ヴォーカルグループ。4人全員がソロ部門で一度落選した後、松尾氏の呼びかけで結成するに至りました。
動画はオーディションにおける平井堅のカヴァー「楽園」のパフォーマンス映像。
先述したDEEP、Luv snd soul等、4人組のヴォーカルグループは他にも存在しますが、Sky's The Limitの特徴はメンバー4人の声質、ヴォーカルスタイルがかなり個性的という点。ここまでメンバーそれぞれの歌声が違うヴォーカルグループは珍しいと思います。
特に最年少メンバー山本卓司の歌唱力は圧倒的で、日本人とは思えないソウルフルな歌唱スタイルで聴く者の度肝を抜きました。
結成当初は山本卓司のみが大きく目立つ印象がありましたが、メジャーデビューする頃には4人の歌声はさらに進化。それぞれのソロパートを切り取ってみても素晴らしい歌声です。
しかし2017年、1stアルバム「Mellow but Funky」をリリースし、これからさらなる飛躍が期待された矢先、残念ながら解散してしまいました。寂しいですね...
EXILE TAKAHIRO 「You」(2015)
記念すべきEXILE TAKAHIROのソロアルバム「the VISIONALUX(ザ ヴィジョナリュクス)」には松尾氏プロデュースの楽曲がさりげなく収録されています。
それがこの曲。スムースなR&Bテイストな楽曲を得意とする松尾氏ですが、今回はギターの音色が心地いい穏やかさが印象的なナンバー。TAKAHIROの人柄が伝わってきそうな温もりある仕上がりですね。
というのも、TAKAHIROのソロ作品はEXILEで見られるダンスナンバーではなく、ロックや歌謡曲っぽいテイストのレパートリーが多いので、そのバランスや彼の方向性も考えた上でこのような楽曲になったのでしょう。松尾氏にしてはかなり珍しいタイプの楽曲な気がしますね。
そしてTAKAHIRO相変わらずイケメンですね...
鈴木雅之 「リバイバル」(2016)
ソロ・デビュー30周年記念にして、還暦記念アルバムでもある「dolce」は前回記事で紹介した2007年のアルバム「Champagne Royale」同様、いや、それ以上に超豪華な作家陣による強力な布陣で制作されたアルバム。玉置浩二、松任谷由実、岡村靖幸、谷村新司、横山剣などなど...
もはや書ききれませんね...他にもたくさんいらっしゃいます...すごいですよね...
そんな大物ばかりのコラボレーションの中でも本曲は、鈴木雅之、久保田利伸、松尾潔というブラックミュージックを得意とする3名による楽曲。久保田利伸が作曲のみならずコーラスでも参加している点が嬉しいですね。
こんなにも甘く芳醇なソウルナンバーは彼らにしか歌えないでしょう...
ちなみに歌詞には上記のJUJU「ラストシーン」にも登場した「古い映画」というワードが使われたりなど、なんだか作品のストーリーが繋がっているかのように感じてしまうのは私だけでしょうか。
松尾氏が作詞を手がけた作品群はかなり関連性がある作品が多いように思います。
シェネル 「Destiny」(2017)
マレーシア生まれ、オーストラリア育ちのシェネル。海外で先にデビューしつつも日本でヒットに恵まれた少し珍しい経歴を持つシンガーでもあります。
TEEの「ベイビー・アイラブユー」の英語詞カヴァーが有名ですね。
本曲も上記のJUJU「ラストシーン」に通じる世界観が特徴の楽曲。というかサウンドの感じとか「ラストシーン」にかなり似てるような...
もしかしたら一組の男女の違う結末を描いた同じ世界観の楽曲かもしれませんね。
作詞に松尾氏、作曲に川口大輔というのも共通しているので偶然とは思えませんね。
解釈は人それぞれですが、気になる方は歌詞を比較してみてはいかがでしょうか?
CHEMISTRY 「Heaven Only Knows」(2018)
2017年、5年に及ぶ活動休止から再始動したCHEMISTRY。再始動後2枚目となるシングル「Heaven Only Knows」でその本領を遺憾なく発揮。またまた超絶名曲を届けてくれました。
デビュー間もない頃に松尾氏と作り上げた数々の楽曲たちには、20代ならではのいわゆる「青さ」がいい意味で強くにじみ出ていた気がしますが、再始動後の作品はそんな過去の作品や自分を振り返る一回り大人になったケミストリーを感じさせる楽曲が多くあります。
この「Heaven Only Knows」はそんな「大人なケミストリー」を感じながらも、デビュー当時の「青さ」も同時に感じる傑作ミディアムナンバー。
「Heaven Only Knows」=「神のみぞ知る」
過去を振り返るくらい歳は重ねたけれども、自分の選択が正しかったかどうかはわからない
まだその答えを探している途中...
これはデビュー当初からCHEMISTRYの楽曲にしばしば見て取れるテーマであり、未だ満足することのない二人のアーティスト活動を象徴しているようでもありますね。
宮田悟志 「待ってて」(2018)
今回一番最初に紹介したアーティストBREATHE。そのメンバーである宮田慧は、BREATHE解散後アーティスト名を宮田悟志に改めソロ活動を開始。
本曲「待ってて」は2018年にリリースされた宮田のソロアルバム「RISE」に初めて収録されましたが、楽曲自体はBREATHE結成当初の2011年頃から存在しており、ライブなどでも度々披露されるファンにも人気のナンバーでした。
そのため宮田にとってこの曲のリリースは実に7年越しの悲願であると言えるでしょう。
このような経緯から、本曲は宮田にとっても、松尾氏にとっても、ファンにとっても非常に特別な意味合いを持つ曲となりました。
大切な人との永遠の別れを綴ったリリックに涙したリスナーも多いことと思います。
ポップミュージックと向き合い続けた松尾氏が紡ぎだした、聴き手を選ばない普遍的な名曲ですね。
いつになく繊細な宮田さんの歌唱も見事という他ありません。
いかがでしたか?
お気に入りの楽曲はございましたでしょうか?
こうして松尾氏のキャリアを遡っていくと、やはり名曲だらけですよね。
そして改めて松尾氏の作品がR&Bをベースに据えながらも広く大衆を惹きつける歌謡曲であることがわかります。
ディープなR&B好きの方の中には、しばしば歌謡的R&Bを嫌煙する傾向もありますが、メジャーフィールドで、大衆を相手にするからこそR&Bが日本に根付き、進歩したとも言えます。
ポップだからこそ老若男女問わず聴かれますしね。
そして松尾氏とともに楽曲制作に携わる作家陣...
特に今回は川口大輔さんとJin Nakamuraさんが多く登場しました。
素晴らしいヒットメーカーですね。
にしても長かったですね...
大物プロデューサーの20年以上に渡るキャリアをまとめるのも楽じゃありませんね...
最後までご覧いただきありがとうございます。
ではまた次回 !
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