ご覧いただきありがとうございます。
今回も松尾潔プロデュース作品の紹介記事になります。
いつまで続くんだって感じですが売れっ子なので仕方ないですね 笑
96年頃から音楽制作にも携わるようになった松尾氏は平井堅、CHEMISTRYを大ヒットに導いたことからプロデューサーとして一躍時の人状態に。仕事の依頼もさらに増え、多くのアーティストのプロデュースを担うようになりました。中でもsoweluやSkoop On Somebody、Kあたりはメジャーシーンにおいてもヒットを記録しましたね。
前回までの流れはだいたいこんな感じだったかと思います。
今回はそんな松尾氏の2006~2011あたりまでの作品を紹介していきます。
この時期松尾氏が携わった作品はかなり多いので全ては難しいですが、重要な作品をピックアップできればと思っておりましたのでよろしくお願いいたします。
最後までご覧いただけたら幸いです。
東方神起 「Heart, Mind and Soul」(2006)
言わずと知れた韓国出身5人組男性ヴォーカルグループ東方神起(現在は2人組ダンス&ヴォーカルユニット)。
所属事務所とのトラブルやメンバー脱退を経ながらも、今なお多くのファンを魅了し続ける伝説的グループ。特に5人時代の人気は凄まじく、当時社会現象とも言える盛り上がり具合で韓国のみならず日本の音楽シーンをも席巻しました。
ほんと皆さん容姿端麗でスタイル抜群、あげく歌も上手いから人気が出ないわけがないですよね...
本曲はそんな彼らの1stアルバム「Heart, Mind and Soul」に収録された同名曲、後に5thシングルとして再リリースされます。
特筆すべきは男性R&Bの先駆けS.O.S.(Skoop On Somebody)と松尾氏による共作ナンバーという点。
S.O.S.のファンを自認する筆者はこの曲を聴くとS.O.S.のVo.TAKEの声が聴こえてくるような気がしてなんだか嬉しくなります。
仲間由紀恵 with ダウンローズ 「恋のダウンロード」 (2006)
テレビドラマ「ごくせん」などを機に知名度がさらに上がった仲間由紀恵。彼女を起用することでCMソングながら何気にヒットしたのがこの曲。あまり知られていませんがこちらも松尾氏プロデュース。
当時頻繁にオンエアされていたので覚えている方も多いのではないでしょうか?
松尾氏が手掛けただけあって楽曲自体はいい仕上がり。懐かしい記憶が蘇ります。
しばしば黒歴史扱いされていますが 笑
他にも仲間さんは90年代中頃からソロ歌手として割と曲を発表してもいるので、こう言ったCMソングを歌うのも自然な流れだったのかもしれません。
EXILE 「Lovers Again」(2007)
アルバムがミリオンヒットし、音楽シーンを席巻しつつあったEXILEですが、2006年初代Vo.SHUNの脱退によりアーティスト活動は事実上の休止状態に。
松尾氏はEXILEのリーダーHIROの依頼を受け、新ヴォーカルを発掘すべき目的で開催された「Vocal Battle Audition 2006 ~ASIAN DREAM~(略してVBA)」における課題曲を作成します。
それがこの曲。もはや言わずもがなですね。
押韻度の高いリリックに美しいメロディ、スムースな語感はまさしくR&B。それでいて大衆を惹きつけるJ-POPとして機能する実にハイブリッドな名曲。カラオケなどでもめっちゃ歌ってました 笑
オーディションの課題曲として制作された楽曲ということもあり、当初はリリースする予定ではなかったそうですが、徐々に人気に火がつき2007年1月に無事22thシングルとしてリリース。CDはもちろん、着うたでも大ヒットを記録しました。
こうして新ヴォーカルにTAKAHIRO、新パフォーマーにAKIRAを加えたEXILEはさらなる快進撃を見せます。
EXILE 「Ti Amo」(2008)
そしてこの曲。
商業的に大ヒットを記録しただけでなく、第50回レコード大賞をはじめ、多くの賞を受賞した松尾氏を代表する一曲。
EXILEにとっても初のレコード大賞受賞曲ということもあり、実に意義深い一曲と言えるでしょう。
当時松尾氏は周囲に引退を示唆しており、この「Ti Amo」をクリエイターとして最後の作品にしようと考えていたそうです。
最後の作品として考えていただけあって、その仕上がりは松尾氏が得意とするR&B歌謡の究極系。上記のLovers Again同様、実にR&B的でありながらも徹底して歌謡曲でもある本曲は、松尾氏がしばしば口にする「R&Bより出でて、R&Bを超えていくもの」を見事に体現したクオリティ。
ストーリー仕立てのMVは当時の若者には少し刺激的な内容でしたね 笑
大人の恋愛をテーマにした女性視点のリリックは女性アーティストからも多大な支持を受け、のちにBENIやMs.OOJA、加治ひとみ等がカヴァーしています。
鈴木雅之 「53F」(2007)
ラブソングの王様Martin(マーチン)こと鈴木雅之。
松尾氏は彼のアルバムのトータルプロデュースを手がけることになります。大先輩のアルバムをプロデュースするということで、松尾氏にとっても今まで以上にプレッシャーのかかる依頼であったことは間違いないでしょう。
そんな松尾氏が手掛けたアルバム「Champagne Royale」は、とにかく豪華なクリエイター陣による楽曲提供が目白押しの名盤。
松尾潔ファミリーと言っていい葛谷葉子、川口大輔、Skoop On Somebobyをはじめ、玉置浩二、筒美京平、松井五郎など錚々たるメンバーがこの作品を強力にサポートしています。
今回はその中でも「53F」をチョイス。
これまでもブログに度々登場した松尾氏お墨付きの才能の持ち主、葛谷葉子が作詞と作曲で参加したメロウナンバー。ほんととろけそうなくらい甘いです。
本曲は後に男性デュオBREATHE(ブリーズ)のメンバー宮田慧(現 宮田悟志)がカヴァーしており、アルバム曲ながらライブでも度々披露される人気曲となっています。
クレンチ&ブリスタ 「Wonder feat. May J.」(2009)
クレンチ&ブリスタはClenchとBlistahの2MCからなるヒップホップユニット。2002年結成。
2007年にメジャーデビューしました。
本曲は松尾氏をプロデューサーとして迎え入れリリースされた2ndシングル。アナ雪の「Let It Go ~ありのままで~」でブレイクする以前のMay J.が客演しているのも大きなポイント。
売り上げこそ振るわなかったものの、松尾流全開のサウンドにClenchとBlistahの渋いラップが加わり実にメロウな質感に。当時から高い歌唱力を誇るMay J.の歌声も相まって知る人ぞ知る名曲と言えるでしょう。いいコラボレーションでした。
できればまた松尾氏とコラボしてほしいですね。
BENI 「Heaven's Door」(2010)
BENI(安良城紅)は沖縄出身、アメリカ人の父を持つハーフシンガー。
幼少期よりアメリカと日本を行き来していただけあり英語が堪能。歌にもその流暢な英語が存分に生かされており、本場USのR&Bシンガーと遜色ない高い歌唱力が魅力ですね。
2004年、安良城紅(あらしろべに)名義でデビュー。その後人気が出るまでに長い時間を要しましたが、2008年、BENIに改名後は徐々に知名度が上昇。
本曲は松尾氏をクリエイターに招き入れたスウィートなウェディング・ソング。
メルヘンチックなPVも可愛らしいですね。松尾氏にしてはちょっと珍しいタイプの楽曲かもしれません。
その後は2012年に邦楽を英語詞でカヴァーした「COVERS」がヒット。「COVERS」シリーズにて彼女がカヴァーしている楽曲には、松尾氏がオリジナルを手掛けた楽曲が多数存在。彼女がいかに松尾サウンドを好んでいるかがよくわかる。この「COVERS」シリーズは現時点で全3作リリースされており、当時空前のカヴァーブームの真っ只中にあって一際輝いている作品でした。
JUJU 「桜雨」(2010)
切なさ溢れる独特の歌声がいつ聴いても染み渡るJUJU。
2008年、Spontaniaのシングル「君のすべてに」のアンサーソングとしてリリースされた「素直になれたら」が大ヒット。チャートを賑わす旬な歌手として脚光をあびることに。
本曲はそんなJUJUにとってヒットを継続できるかという重要な時期にリリースされたシングル。
上記のEXILE「Lovers Again」「Ti Amo」と同じく作詞に松尾氏、作曲・編曲にJin Nakamuraという言ってしまえば「ハズさない二人」による楽曲。
切ない別れの曲ではあるものの、同時に清々しい春の訪れを感じる名曲。本当に綺麗なサウンドですよね。
大人の恋愛を描いた割とドロドロした楽曲を多く持つJUJUですが、本曲をはじめ「奇跡を望むなら...」「やさしさで溢れるように」など、聴く人や時代に流されない普遍的な名曲も数多く持ち合わせているのが彼女の強みだとつくづく思います。
三代目 J Soul Brothers 「Best Friend's Girl」(2010)
2009年、二代目 J Soul BrothersメンバーがEXILEに加入したことで、J Soul Brothersは一時活動終了。新たに三代目を作る運びとなった際に、そのヴォーカルを選考する目的で開催されたのが「Vocal Battle audition2~夢を持った若者たちへ~」でした。晴れて三代目のヴォーカルに抜擢されたのは今市隆二と登坂広臣。
本曲はそのオーディション課題曲として松尾氏が書き下ろしたナンバー。作曲は前回の記事でも登場した川口大輔! 編曲は中野雄太!←重要
三代目J Soul Brothersのデビュー曲でもあります。
リリックには「花鳥風月」が取り入れられ、片思いの切ない心情を激しくも美しく表現します。ファンの間でも根強い人気を誇るナンバーですね。筆者にとっても三代目の曲の中で特に好きな楽曲です。
その後は多くのヒット曲を発表し、2014年「R.Y.U.S.E.I」でレコード大賞を受賞するまでに至る彼らの活躍は、もはや説明不要ですね。
Flower 「Still」(2011)
FlowerはEXILEを擁する総合エンターテインメント集団LDH所属の女性ダンス&ヴォーカルグループ。「Vocal Battle Audition 3 ~For Girls~」によって選考されたヴォーカル担当含む9人組としてデビューしました。
EXILEの後輩的立ち位置の女性グループの中でも、Flowerはとりわけバラード担当のグループでしたね。すでに解散してしまったのが残念ですね。
本曲はまたしてもオーディションの課題曲として松尾氏が書き下ろしたナンバー。
松尾氏らしいセツナ美しいソングですね。クールながらも熱さを感じさせる歌唱はATSUSHIをはじめEXILEの先輩方を連想させる質感。非常にカッコイイです。
こちらも作曲は川口大輔。編曲も中野雄太という上記の三代目「Best Friend's Girl」と全く同じ作家陣ですね。
やはりこの手の楽曲を作らせたら松尾氏の右に出るものはいないと言わざるを得ないですよね。
平井堅 「R&B」(2011)
松尾氏がプロデューサーとして名を馳せる気かっけになった平井堅の二枚のアルバム「THE CHANGING SAME(2000)」と「gaining through losing(2001)」から10年、平井堅は再び松尾氏をプロデューサーに迎え入れアルバムを制作。完成した8thアルバム「JAPANESE SINGER」は映画主題歌としてヒットした「僕は君に恋をする」「アイシテル」などを含む名作。
松尾氏が作詞にも携わったという点で「いとしき日々よ」を紹介してもよかったのですが、今回はあえてこちら。
曲のタイトルがそのまんま「R&B」というだけあって曲調もまさしくオーセンティックなR&Bと言える仕上がりに。
しかしながら歌唱とリリックには平井堅らしさがこれでもかというほど溢れており、どこかコミカルな要素を同時に含んだ遊び心ある一曲。
以前から言えることですが、平井堅はシングルのクオリティもさることながらアルバム曲やカップリングに一風変わったテイストの曲があり面白いです 笑
今回は以上になります。
だいたいこの辺りで松尾氏が得意とする曲調がかなり定まってきたように思いますね。
にしてもヒット曲多いな〜って感じですね。
EXILEとのコラボレーションでよりその手腕に磨きがかかったように思います。
ちなみに「Ti Amo」に関しては関連曲がまだまだあるので、また後日個別にピックアップしたいと思っておりました。
次回はテン年代以降の作品になるので、松尾氏の長いキャリアの中でも比較的新しい部類になると思います。
最後までご覧いただきありがとうございます。
ではまた次回!
0コメント