ご覧いただきありがとうございます。
前回はSKOOPのデビュー時から99年頃までの作品を紹介させていただきました。
売り上げ的には振るわなっかたものの、どれも素晴らしい作品でしたね。
そんな彼らはアルバム「Where do we go」の発表の後、2000年からアーティスト名を「Skoop On Somebody(略してS.O.S.)」に改名。より幅広い視野を持った活動を展開していきます。
その特徴としてはやはり、ポップミュージックシーンでも受け入れられやすい歌謡的成分の吸収。
セルフ・コンテインド・バンドとしての特性を活かし、自分たちだけでデビュー当時から非常にコアなR&Bを実践していた彼らですが、改名後は積極的に外部のプロデューサーやクリエイターを招き入れることでよりその支持層を拡大。売り上げ的にも徐々にその数字を伸ばしていきます。
これはデビュー当時から高い実力を誇る彼らに、更なる強力な武器が装備されたようなもので、この頃の彼らは超絶ハイクオリティな作品の数々をかなりのハイペースでリリースしていきます。
当時はそれくらいのリリースサイクルが当たり前だったのかもしれませんが、にしても凄いです...
ということで今回は「Skoop On Somebody」に改名後の2000年から2001年頃までの作品を紹介させて頂きます。(2回目で2001年までって、どんだけ刻むんだって感じですが...笑)
この時期は特に西平彰氏のサウンドプロダクションと小林夏海氏のリリックが非常にいい味を出しており、それに伴って多くの名曲が発表されました。
最後までご覧いただければ幸いです。
「ama-oto」(2000)
沢田研二氏の盟友として知られる西平彰氏をサウンドプロデュースに迎えた「Skoop On Somebody」に改名後初のシングル。
雨を象徴する湿っぽいサウンドの中、悶々とした男の性を実に上手く表現した楽曲。先述したように徐々に歌謡的成分を取り込んでいく彼らですが、同時に元々得意とするブラックネスも更に深化。名曲です。
男性デュオCHEMISTRYがデビュー以前にオーディションで歌唱した曲として有名で、S.O.S.とCHEMISTRY両者のファンである筆者もこの曲をよく練習していました 笑
「if」(2000)
こちらは後にバラード・アルバム「Nice'n Slow Jam」に「if (new mix)」としても収録されるカップリング。
いつになく線の細い表現で魅せるTAKEのヴォーカルが印象的で、女性アーティストが歌っても様になりそうな一曲。
「線香花火」(2000)
10thシングル。こちらも「ama-oto」同様編曲に西平彰氏を起用。夏の夜を思わせる美しいサウンドと、恋愛における刹那的要素を線香花火に見立てたリリックに思わずうっとりですね。
「STAND!」(2000)
そしてこちらは筆者が特にお気に入りのR&Bファン必聴の一曲。USR&Bコーラスグループを想起せずにはいられない仕上がりで、チキチキビートとコーラスが効いたコテコテのR&Bナンバー。その後再録もされていないようなので、S.O.S.の隠れた名曲と言ってもいいかもしれません。
「eternal snow」(2000)
S.O.S.を代表するウインターソングにして実にテクニカルな意欲作。そして同時に超絶傑作 !上記「STAND!」同様変則ビートによる複雑なリズムが特徴で、雪の結晶を彷彿とさせる煌びやかなサウンドがたまらないです。心暖まるリリックを巧みに表現するTAKEのヴォーカルも最高ですね。
「Still」(2001)
後に「潮騒」「sha la la」などでも素晴らしい詩を提供していただく小林夏海氏を作詞家として迎え入れたナンバー。奥行きあるサウンドとTAKEの情感溢れるヴォーカルに涙腺崩壊必至の一曲。カップリング収録の別バージョン「Still (unplugged)」も荘厳な仕上がりでお気に入り。
「Soul'n' Roll」(2001)
そしてこちらはフェンダーローズが終始心地良いお得意のセクシーメロウナンバー。やっぱりS.O.S.のこういう曲聴くとなんか安心するんですよね 笑
「Key of Love」(2001)
Skoop On Somebodyに改名後、満を持して発表された4thアルバム。元来のブラックネスを残しつつも歌謡的成分を吸収することで誕生したバラエティに富んだ楽曲群が功を奏し、見事オリコンチャート10位を記録。また、イントロを含む15曲収録の中、実に6曲の作詞を小林夏海氏が手掛けているのがポイント。ほんと素晴らしい作詞家さんですね。
以下数曲抜粋してご紹介
「around the world」
初期EXILEのサウンドプロデュースで有名な「Face 2 fake」が手掛けた楽曲。ライブでも定番の疾走感溢れるアップナンバーで、TAKEが片手にタンバリンを持ちながら歌唱する姿が印象的。筆者も好きで今でもよく聴いています。
「Summer Ride」
小林夏海氏作詞のどこか懐かしさを感じるシティポップテイストの一曲。穏やかな夏の風を感じます。
「Key of Love」
アルバム表題曲にしてハートフルなウェディングソング。実際に結婚式でこの曲使用した方も多いのではないでしょうか。後のセルフライナーノーツによると、終盤のクワイヤはレコード会社と事務所のスタッフが担当したようです。
「Sunset, Side Seat」
こちらも小林夏海氏が作詞を手掛けた切なさ溢れる楽曲。「サイドシート」というワードからも、どこか上記の「Summer Ride」とストーリー的に関連性があるのではないかと思ってしまいますね。個人的に本アルバムでもお気に入りの楽曲。
「予感 (S.O.S feat. Akiko Kohara)」
シンガーソングライター小原明子氏とのデュエットが聴き応え抜群の一曲。S.O.S.が女性アーティストと本格的にコラボレーションしたのはこの曲が初めてな気がします。(以前にもRemixやコーラスでは葛谷葉子や嶋野百恵とコラボレーションしている)
「M.F.S.B」
アルバムラストを飾るに相応しいゴスペルナンバー。KO-ICHIRO、KO-HEYのソロ歌唱パートがあるなど、和気藹々とした雰囲気の中、終盤まで熱量が上がり続ける大合唱が実にピースフル。「Nice'n Slow Jam 15years Limited」にて「M.F.S.B (Mellow Flavor)」としてリメイクされます。こちらも必聴 !
「潮騒」(2001)
そしてこの曲。怒涛の展開、圧倒的なヴォーカル、情念迸るリリック...
全てにおいて圧巻の仕上がりと言っていい13thシングルがこちらの「潮騒」
様々なタイプの楽曲をリリースしているS.O.S.ですが、やはりこの曲の存在感たるや...って感じです...
実に歌謡的であると同時に、これでもかという程黒い...S.O.S.にしか成せない曲であるとつくづく思います。カッコいいです。
「Ooo, baby, baby」
R&Bの古典として名高いスモーキー・ロビンソン&ミラクルズの名曲カヴァー。
CHEMISTRYもライブでカヴァーしてましたよね。
「sha la la」(2001)
S.O.S.を語る上で外せない、抜群の知名度と人気を誇る曲がこちら。もはや言わずもがなですね。筆者も大好きな曲です。また、それと同時に小林夏海氏を代表する作品でもあります。
これまでに「sha la la (club S.O.S. Version)」や「sha la la (Mellow Flavor)」など複数のバージョンが存在しています。
2017年にはメジャーデビュー20周年を記念して、超豪華なゲストを迎えた「sha la la (20years Anniversary Ver.)」がYoutubeにアップされました。
現在でも視聴可能なので未聴の方は是非 !
「束縛」(2001)
こちらは「sha la la」と打って変わって爽やかさゼロの粘着質な内容のR&Bナンバー。
これが思いのほか良質な仕上がりで、個人的にA面にしてもいいくらいな気がします。
サウンドもかっこいいんですよね。
「Nice'n Slow Jam」(2001)
上記のヒットシングル「潮騒」「sha la la」に加えて、新曲「Let it snow」そして既存曲のリメイクバージョンが収録された傑作バラード・アルバム。こちらもヒットを記録しました。
セルフリメイクされた既存曲のクオリティが高い上、効果的なinterludeの導入や、練られた曲順によってバラード・アルバムでありながら間延びすることは一切なく、メリハリある聴き応えを実現。是非アルバムを通して聴いていただくことをお勧めします。
以下数曲抜粋してご紹介
「Nice'n Slow (S.O.S. edition)」
前回記事でも登場したS.O.S.を代表する曲のリメイクバージョン。よりスローなアレンジがメロウさを引き立てます。これぞS.O.S. !! 間違いないです ! !
「Amanogawa (S.O.S. edition)」
重厚なアレンジで蘇ったバラード仕様の「Amanogawa」
歌詞が一層染みますね。
「Let it snow」
本アルバム唯一の新曲。「eternal snow」とは大きく毛色の異なるウインターソングで、どこか可愛らしい音使いが特徴的。ほっこりしますね。
「Everlasting Love (S.O.S. edition)」S.O.S.featuring John P.Kee
SKOOP時代の名ゴスペルナンバーをジョン・P・キーと共にリメイクした9分を超える大作。
ジョン・P・キーとTAKEの掛け合いが凄すぎて...圧巻です...
今回は以上になります。
いかがでしたでしょうか?
名曲だらけですね。特にこの時期は知名度も上がり始めていた時期なだけに、S.O.S.を代表する曲が多いように思います。
にしても2000年の改名から2年の間にこれだけリリースしているのだから驚きです。
本当は今回の回で2004年くらいまでは紹介したかったのですが...笑
気長にお付き合いいただければ幸いです。
ご覧いただきありがとうございました。
ではまた次回 !
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