24.SKOOP

ご覧いただきありがとうございます。

今回は楽曲紹介記事になります。

取り上げるアーティストはSKOOP(現Skoop On Somebody)

これまでもしばしば本ブログにて紹介させて頂いているので、常連感が出ていますが、本格的に取り上げるのは今回が初になりますね。

というのも、以前松尾潔さんの作品を紹介する記事を執筆した際に、思いのほか反響があり、中でも多かったのがSkoop On Somebodyファンの方々がインスタなどで反応をくれたこと。喜ばしいことにもっと掘り下げてほしいといったお声もいただき、この度執筆する運びとなりました。ありがとうございます。

僕自身凄く好きなアーティストでありますので、楽しみながら執筆していきたいと思います。

最後までご覧いただければ幸いです。(今回はまたシリーズっぽくなるので長くなりそうですが 笑)




SKOOP(現Skoop On Somebody)はVo.TAKE、Key.KO-ICHIRO、Dr.KO-HEYの3名からなるR&Bバンド。1995年に結成し、1997年にメジャーデビュー。

その後2000年に現在の活動名「Skoop On Somebody(通称S.O.S.)」に改名。

2011年にDr.KO-HEYが脱退し二人体制になりますが、デビューから20年以上経つ現在も精力的に活動されています。


特筆すべきは彼らが「セルフ・コンテインド・バンド(作詞・作曲・歌・演奏などをほとんど自分たちだけで実践するバンド)」であるという点。

当時の海外R&B系のアーティストを想起してみると、プロデューサー主導によるプロジェクトが多く、類稀なる歌唱力はあっても演奏やソングライティングまで自分たちでこなせるアーティストはそう多くはなかったように思います。

ましてやSKOOPがデビューした当時の日本では、まだ宇多田ヒカルやMISIAらもデビューしてないですからね...R&Bを標榜するアーティストや作家さんもかなり少なかったと思います。

そんな時代に自分たちだけでこれだけの作品を産み出していたのだから驚きですよね...

彼らが日本におけるR&B、ネオソウル(ニュークラシックソウル)の草分けと言われる由縁ですね。

そして自分たちであらゆる作業が出来るというこの強みは、ほぼメンバー3人のみで行うアコースティックスタイルの「club SOS」の実現はもちろん、KO-ICHIROのピアノをフルに生かした2006年のオリジナルアルバム「Pianoforte」の発表も可能にしました。

しかも曲によってはKO-ICHIROとKO-HEYの二人はコーラスはもちろん、リードヴォーカルを担当する場面もあるので、時にR&Bコーラスグループとしても機能する実に多機能なグループ。


ほんと凄いと思います...


あとはやはりVo.TAKEの圧倒的な歌唱力ですね...

伝説のゴスペルシンガー「サム・ジョーンズ」に師事したということもあり、日本人離れした太く、ソウルフルな歌唱が圧倒的...

それでいてめっちゃ優しいんですよ...

筆者的「抱かれたい声質No.1」とでも言っておきましょうか 笑

それくらい好きな歌声です。

真似しようとしても全然出来ませんでしたが w



それではざっくりとした紹介はこの辺にして...

今回は第一回目ということで、Skoop On SomebodyがまだSKOOPだった頃。すなわち1997年〜2000年あたりまでの作品を取り上げていきます。

90年代の日本と言えばかなりCDの売れた時代でしたが、当時SKOOPのCD売り上げは鳴かず飛ばず...

信じられない話ですが本日紹介する作品は全てオリコンTOP100位にも入っていません。

しかし、改めて初期の楽曲を聴いてみると、古さを感じることは一切なく、以降にリリースする様々な作品と同一のライブセットリストに組み込まれても違和感はゼロ。むしろアダルトさを前面に押し出した90年代のUSR&Bテイストな楽曲群が一気にディープなSKOOPワールドに引き込んでくれます。筆者もこれにまんまとやられました 笑

ほんとセクシーなんですよね...

ということで初期の作品を見ていきたいと思います。




「No Make de On The Bed」(1997)

記念すべきデビュー曲。

メロウさと快活さを持ち合わせた高揚感溢れる仕上がりで、ベッドイン必至の一曲。

凄くノリっぽい中に包容力を感じるあたりがさすがですよね 笑 

2003年のベスト盤に収録されるまでの間、長らくアルバム未収録だった曲でもあります。

CDジャケットの3人が某映画のエージェントっぽくて何かやらかしそうな雰囲気満載ですよね 笑

実際にR&Bを日本でいち早く実践した功績は大きく、「いい意味で」やらかしてくれました。ほんと感謝ですね。


「碧い雨」(1997)

こちらはカップリング。淡々としたリズムが雨を連想させるナンバーで、その後多くリリースされる雨関連の楽曲(「ama-oto」や「恋雨」など)の最初と言える作品。

本曲はその後おそらく一切再録されていないので、このシングルでのみ視聴可能な楽曲。




「バラ色」(1997)

2ndシングル。ライブなどでも頻繁に披露される曲で、「Nice'n Slow」などと並び初期SKOOPを代表するナンバー。

遊び心ある間奏のセリフや美女を前にどこまでも紳士的な登場人物の態度が余計にセクシーさを際立たせる名曲。

恋の始まりの浮き足立つ感覚が凄くリアルなんですよね 笑 


「I Don't Wanna Let U Go」(1997)

1stアルバムにも収録。「バラ色」とは対照的に「失意」を強く感じる一曲。




「Nice'n Slow」(1997)

そしてもはや説明不要と言わんばかりのこの曲。

SKOOPを象徴する超絶メロウな傑作にして、後にバラード・アルバム「Nice'n Slow Jam」シリーズのタイトルにも使用されることになるSKOOPを語る上でスルー厳禁の重要な一曲。

甘い歌声とリリック、ときめきを感じる煌びやかなサウンドがたまらないです。後にリメイクされる「Nice'n Slow (S.O.S.edition)」バージョンも凄く好きですが、改めてオリジナルを聴くと、やっぱりオリジナルも最高 !


「いつまでも〜Forever & A Day〜」(1997)

SKOOPのレパートリーではかなり珍しいレゲエ風のナンバー。

南国のビーチを思わせるサウンドが心地いいです。こちらもその後再録されていない結構マニアックな一曲な気がします。


「Nice'n Slow (Acoustic Version)」(1997)

初めて聴いた時鳥肌が立った表題曲のアコースティックバージョン。ピアノ伴奏をメインに据え、終盤ではクラップ(手拍子)が入るゴスペル風なアレンジが特徴的。

TAKEさんのフェイクが凄すぎて、ほんと黒人のヴォーカリストって感じです...

オリジナル同様こちらも必聴 !




「SKOOP」(1997)

上記「バラ色」や「Nice'n Slow」を収録した「黒さ」満載の1stアルバム。

全編通して豊潤な仕上がりで、R&Bが内包するいわゆるベッドタイムミュージックとしての側面を意識したメロウな仕上がりが特徴。

97年の時点でこの貫禄...まさに早熟...

ほんと憧れますね...


以下数曲抜粋してご紹介


「Come Back 2 Me」

初期SKOOPの中でも切なさを前面に押し出したスローバラッド。SKOOPにおけるバラード曲の元祖とも言える曲で、実にSKOOPらしい優しさ溢れる質感がいいですね。


「Sexy Sexi Sexe」

タイトル通りエロさ全開にしてノリノリのナンバー。ライブでも非常に盛り上がる楽曲ですね。遊び心満載のリリックもどこかコミカルで「Baby FaceでもGET!出来ない」のフレーズに痺れます 笑


「Bye Bye 〜その日が来るまで〜」

後に4thシングルに「Bye Bye 〜その日が来るまで〜 (Acoustic Version)」として再録されるノスタルジックなナンバー。アルバムのラストを哀愁とともに締めくくります。




「壊したい」(1998)

4thシングル。元々8cmシングルとしてリリースされた後、2005年に12cmシングルとして再発されました。

一言で表すなら「我慢の限界」「本能」と言ったところでしょうか 笑 冒頭から終盤にかけて徐々に熱を帯びていき、終盤はもうどうしようもないくらいです 笑 でもそれが最高 ! 笑

プライドも何もかなぐり捨てた主人公の「男」としての姿が実に見事に表現されています。

初めて外部のクリエイターを作詞家として迎えた楽曲と知った時は驚きました。詞の吸収力が半端じゃないですよね...




「Mood 4 Luv」(1998)

そしてこの曲。個人的にSKOOPの曲の中でも1.2を争うほど好きな楽曲。

SKOOPとして活動する以前のバンド名がこの「Mood 4 Luv」のようで、エフエム・ノースウェーブの番組名でもありました。

グルービィでアーバンなサウンド、甘いヴォーカルが最高にカッコいい超絶名曲 !

後に「Nice'n Slow Jam 15 years Limited」にてリメイクされた「Mood 4 Luv (Mellow Flavor)」もめっちゃお気に入り。

4人組コーラスグループとかが歌ってもカッコ良さそうですよね。



「時計」(1998)

2ndアルバムにも収録された切なさ溢れるリリックと寂しげなTAKEの歌唱が印象的なナンバー。2009年にリリースされたバラードベスト「LOVE BALLADS」におけるセルフライナーノーツによると、サビは高校生の時に作成されたようです。相変わらず早熟 !




「Mood 4 Luv」(1998)

2ndアルバム。5thシングル「Mood 4 Luv」と同タイトルで、シングルと同時発売されました。上記の「壊したい」や「Mood 4 Luv」といった傑作シングルはもちろん、アルバム曲の中にもその後歌い続けられる人気の楽曲がズラリと並ぶ名盤。個人的にも凄く好きなアルバム。


以下数曲抜粋してご紹介


「WANNA BE A BOYFRIEND」

冒頭のスクラッチや秀逸なコーラスなど90年代USR&Bを意識した仕上がりがツボな一曲。

個人的にお気に入りの楽曲です。


「想い」

後に「Nice'n Slow Jam」にて「S.O.S.edition」としてリメイクされる名曲。

登場人物と似たようなシチュエーション経験したことのある人なら涙腺崩壊必至の一曲。

TAKEさんの歌声が優しすぎて...やばいです...


「Mellow Groove」

アナログレコードを女性に見立てた遊び心あるリリックが実に面白い一曲。

ブラックミュージックに対する深い愛情を感じますね。


「Everlasting Love」

そして7分を超える圧倒的ヴォリュームのゴスペルナンバーがこちらの「Everlasting Love」

ラストは息を飲むほど圧巻の盛り上がりでアルバムを華々しく飾ります。初めて聴いた時めちゃくちゃ感動して、まだ所持していないSKOOPのCDを急いで買いに行った記憶があります 笑

ブレイク前の平井堅がゴスペルクワイヤに参加している点もポイントで、同じ98年に平井堅もゴスペルナンバー「Love Love Love」をリリースしているので、両者の間で情報交換などが結構あったのかもしれませんね。




「Over & Over」(1999)

「Mood 4 Luv」と並び個人的にかなり好きなSKOOPの傑作ミッドナンバー。

身体の芯から揺らしたくなるリズムとTAKEの熱い歌唱にいつももってかれます。

しかもこの曲、めちゃくちゃ良いこと言ってますよね...

曲調はもちろん、リリックもかなりお気に入りの一曲。


「祈り」(1999)

後々もライブで頻繁に披露されるファンにも人気の一曲。「Everlasting Love」に劣らないスケールある仕上がりでこちらも鳥肌モノ !

DVDとして発売されている2005年の武道館におけるライブ「Live in performance 2005 Christmas Edition Special BUDOKAN」でセットリストの一曲目からこの曲が披露された時は驚きました。




「Amanogawa」(1999)

以前の記事でも紹介させていただいたご存知SKOOPを代表する超絶名曲。

浮遊感のあるサウンドと繊細な抑揚、日本語詞のみで構成されたリリック。R&Bの枠を超えた決して色褪せることのない永遠の名曲と言っていいでしょう。

本曲はSING LIKE TALKINGの佐藤竹善氏がカヴァーしたことで有名な他、EXILE ASTUSHIもハワイにおけるソロライブでカヴァーしていますね。




「Where do we go」(1999)

3rdアルバム。先述したようにCD売り上げが伸びずにアーティスト生命の危機に陥っていたSKOOP。本アルバムはそんな彼らのアーティスト生命を懸けた作品というだけあって、1stアルバムで前面に出されていたセクシーさを残しつつも、当時の彼ら自身の心情を吐露したかのような楽曲が多く収録されているのがポイント。

ゲストも非常に豪華で、アコーディオニストのcoba氏やサクソフォーン奏者の本田雅人氏等が参加しています。

そのため1st、2ndと比較するとかなり実験的かつ挑戦的な楽曲が多く、一曲一曲が際立って個性的な印象。Skoop On Somebodyに改名してからのアルバムを含めても、非常に類を見ない作品な気がします。

ちなみに最後の一曲「祈り」が終了して1分後くらいに、隠しトラックとしてオリジナルバージョンの「Amanogawa」が突如再生されます。


以下数曲抜粋してご紹介


「宙の地図」

2分程度の短い楽曲にも関わらず、本アルバムを象徴する浮遊感や放浪間を見事に表現した秀逸なプロローグ。


「Luv Connection」

RIP SLYMEのトラックメイカーであるDJ FUMIYAが参加した楽曲。

歯切れの良いメロディが印象的なメロウナンバー。


「Actor」

本アルバムで特に異質な存在感を放っているのが本曲。終始不穏な質感のピアノとアコーディオンの音色が独特なリリックに絶妙にマッチした名曲。2004年には「Actor (club SOS Version )」としてセルフリメイクされます。


「Soul Shadow」

Raa-Deeによるラップが加わったHIP HOP色強いナンバー。

世紀末を目前に控えた結構ロマンチックなリリックがカッコいい。


「Where do we go」

アルバムタイトル曲にして、アーティスト生命の危機に陥っていた当時の彼らの心境を想起せずにはいられない楽曲。先が見えない中にも力強い意志を感じる強力な一曲で、筆者もかなり好きな楽曲です。







いかがでしたでしょうか?

今回は以上になります。

初期のSKOOPの曲をあまり知らないという方も、是非一度聴いてみることをお勧めします。

筆者も特に好きで聴いていた楽曲達なので、非常に強い思い入れがあります。

次回はSkoop On Somebodyに改名後の作品を追って行こうと思います。


最後までご覧いただきありがとうございます。


ではまた次回 !

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