あけましておめでとうございます。
そして昨年に引き続き当ブログをご覧いただきありがとうございます。
昨年7月にブログを開設して以来、好き勝手に記事を執筆していく中で思いがけない反応を頂けたことや、改めて作品を聴き直す中でその素晴らしさを再確認できることに喜びを感じつつこの半年過ごして参りました。
これからもスローペースですが地道に執筆していきたいと思いますのでよろしくお願い致します。
依然コロナ渦により自粛が必要とされる日常の些細な読み物として機能して頂ければ嬉しい限りです。
さて今回の記事になりますが、久しぶりのオムニバス形式の楽曲紹介記事になります。
テーマは「沖縄」
タイトルからピンときた方も多いかもしれません。
「なぜ唐突に沖縄?」
と思った方も多いかもしれませんが、筆者は沖縄の様々な文化が好きで、本当は昨年末旅行に行きたかったのですがコロナによりあえなく自粛...
沖縄出身のアーティストの曲を聴くことでその分を補っていました。
とは言え、聴いていたのは琉球民謡というよりはこれまでの楽曲紹介の例に漏れず、J-POP、とりわけR&BやHIP HOP系の作品なわけですが...笑
ということで今回は沖縄出身のR&B、HIP HOP系のアーティスト及び楽曲紹介記事になります。
全2回を予定しております。
最後までご覧頂ければ幸いです。
最初に、沖縄出身のアーティストを語る上で外せない要素の一つが、「沖縄アクターズスクール」と「ライジングプロダクション」
「沖縄アクターズスクール」は安室奈美恵や三浦大知などといった国民的アーティストを数多く輩出した言わずと知れた沖縄を代表する芸能養成スクール。
90年代、10歳そこそこくらいの年齢ながら素晴らしい才能を開花させたアーティストが多く輩出されたのも、このスクールがあったからと言えるでしょう。
そしてこの「沖縄アクターズスクール」と当時蜜月状態にあったのが大手芸能事務所「ライジングプロダクション」
そのため沖縄アクターズスクールで実力を磨いた生徒がライジングプロダクションからプロデビューするという構図が90年代から2000年頃まで続いていたんですね。
日本のポップミュージック史を語る上でスルー厳禁の極めて重要なファクターです。
今回紹介するアーティストもその多くがこのスクール及び芸能プロダクション出身者になります。
GWINKO 「よくばりなウィークエンド」(1990)
GWINKO(ギンコ)は1987年「STAR SHIP-I'm going high-」でデビューした沖縄アクターズスクール第一期生。90年代半ば頃から隆盛を誇る同スクールにおける草分け的存在ですね。
そのスタイルは80年代を代表するファンキーな楽曲から、90年代にかけて爆発的に普及するニュー・ジャック・スウィングなども手広く押さえたダンス&ヴォーカル。
日本でR&Bがブームになる10年以上前の時点で、ここまで本格的に本場のダンスやサウンドを取り入れた音楽性は当時非常に稀有かつ挑戦的。
本曲「よくばりなウィークエンド」は筆者が彼女を知るきっかけになった最初の作品なのですが、この曲の映像をはじめて観た時その本格的なダンス、跳躍感のある歌唱に非常に驚きました。現在でもYoutubeで視聴可能なので気になる方は是非。
安室奈美恵 「SWEET 19 BLUES」(1996)
もはや説明不要。日本ポップミュージック史を語る上で絶対外せない永遠のカリスマ。その影響力は音楽だけにとどまらず、そのファッション、生き方全てが憧れでした。
2018年の引退まで、第一線で活躍し続けたその姿に多くのリスナーが勇気や感動を貰ったことと思います。
SUPER MONKY'S時代、小室哲哉プロデュース時代、GIANT SWINGやnao'ymtとのR&B、HIP HOP時代、テン年代以降の海外クリエイターとの共作時代...
どこを切り取っても名曲だらけ。当ブログをご覧になられている皆様も、きっとそれぞれに思い入れのある楽曲があることでしょう。
個人的にはR&BやHIP-HOPに傾倒していた時期が好きですが、時系列的に紹介しているのでとりあえず初期作品から単体で選ぶならこの曲かな...ということで「SWEET 19 BLUES」
ベタ過ぎますけど...笑
MAX 「一緒に・・・」(1999)
安室奈美恵、SPEEDと並び90年代の沖縄アクターズスクール隆盛の中核を担ったMAX。安室奈美恵を含む5人組ユニット「SUPER MONKEY'S」の安室以外のメンバーであるNANA、MINA、LINA、REINAの4名からなる女性ユニット。
メンバーの脱退や新メンバーAKIの一時加入など多くの困難を乗り越えながらも2021年現在オリジナルメンバーでの活動を継続。長続きしにくいヴォーカルグループという形態の中で、20年以上の間キャリアを積んできたこの事実は何にも変え難い価値があるように思います。
デビュー当時はメンバー全員10代でしたが、同時期に妹分のSPEEDが活動していたこともあり非常に大人びた印象がありましたね。みなさんほんと容姿端麗 !
良質な楽曲群も相まってこちらもヒットを連発。90年代を代表するガールズグループになりました。
1999年発表の15thシングルである本曲「一緒に・・・」は彼女らを代表するウインターソング。昨年12月に「一緒に・・・(Happiness 2020)」としてセルフリメイクされました。
SPEED 「BODY & SOUL」(1996)
上記MAX同様沖縄アクターズスクール出身の新垣仁絵、上原多香子、今井絵理子、島袋寛子からなる4人組ダンス&ヴォーカルグループ「SPEED」
当時、というよりこれまでの日本の音楽シーンを見返してみても、これほど完成度の高いローティーンガールズグループは他にいなかったように思います。ブラックミュージックを巧みに取り入れたサウンド、若さを全面に押し出した超絶キレッキレのダンス、ハイレベルな歌唱...どれをとってもデビュー当時平均年齢12~13歳とは思えない仕上がりに脱帽必至。ハイクオリティ過ぎる...
それと同時に可愛らしいアイドルとしての側面がその人気をさらに加速させヒットを連発、一躍時の人状態でしたね...というか元々はアイドルか...笑
解散後は再結成もありましたが現在はグループでの活動はしていない模様。その後もメンバーそれぞれがまさしく紆余曲折と言える人生を歩みますが、発表した素晴らしい作品の数々はもはや伝説。この先彼女らを超えるローティーングループは一体どれだけ現れるだろうか...
Folder 「NOW AND FOREVER」(1997)
そして同じ沖縄アクターズスクール出身アーティストである上記SPEEDよりさらに若い、当時小、中学生だったメンバーで構成されていたグループがこちらのFolder(フォルダ)
デビュー当時若干10歳というメンバー最年少ながら大人顔負けの歌唱力とダンスを見せつけるDAICHI(現 三浦大知)に加え、後に女優として活躍するHIKARI(現 満島ひかり)などを含む7人組男女混合ダンス&ヴォーカルグループ。
声変わり前のDAICHIをメインヴォーカルに据えた数々の楽曲たちは、ボーイソプラノをハイクオリティで実現した貴重な音源として知られています。若きマイケルともよく言われますよね。
本曲「NOW AND FOREVER」は宇宙船的なPVが印象的なスムースR&Bミディアム。
この時点でここまで歌って踊れるのに、この後さらに進化し続けますからね...凄すぎる...
後に男性メンバーであるDAICHIとJOE以外の女性メンバー5名からなるFolder5が結成、ONE PIECEの主題歌を担当するなど2002年頃まで活躍しました。
DA PUMP 「Rhapsody in Blue」(1998)
先述した安室奈美恵、MAX、SPEEDらの活躍もあり、音楽シーンが女性R&B系アーティストで溢れかえっていた90年代後半。卓越した歌唱力とダンスを持つISSAを筆頭に瞬く間に知名度を上昇させた男性ダンス&ヴォーカルグループがこのDA PUMPでした。初期メンバーは上記のISSAに加えSHINOBU、 YUKINARI、KENの4名。こちらももちろん沖縄アクターズスクール出身...←ほんと多いな ! 笑
上記MAX同様メンバーチェンジを経ながらも地道な活動を継続、2018年にはご存知「U.S.A.」で第二次ブレイクと言える活躍を見せお茶の間を席巻。紅白の舞台にも大々的なカムバックを果たしました。これもひとえに第一線で活動し続けたISSAの圧倒的カリスマ性と、途中から加入した強力な新メンバーたちの弛まぬ努力の結果と言えるでしょう。カッコイイです。
ちなみに本曲「Rhapsody in Blue」は1998年にリリースされた5thシングル。SMAPの1996年のヒットナンバー「青いイナズマ」に通じるサウンドプロダクションとダンスがクールな仕上がりでお気に入り。
知念里奈 「precious delicious」(1998)
ダンス&ヴォーカルグループを多く輩出した当時の沖縄アクターズスクール勢の中でも、安室奈美恵と同様ソロシンガーとして活躍した知念里奈。
2000年代以降はミュージカル女優として活躍されているイメージの方が強いかと思いますが、久保こーじ氏プロデュースの元1996年に歌手デビュー。大活躍した同郷の沖縄勢に劣らない作品の数々を発表しました。
小室哲哉氏とユニットを組んでいた経歴を持つ久保氏プロデュースということもあり、本曲「precious delicious」は小室色強い音使いが印象的なナンバー。
サウンドはもちろん、少し背伸びしたリリックなどまさしくザ・90年代の仕上がり。
懐かしいですね。
池間アカネ 「熱帯夜」(2000)
1999年にデビューした石垣島出身の女性シンガー池間アカネ。後に「クイヌパナ」「PANA」などに改名。ナオトインティライミの奥さんとしても知られています。
ダンス・インストラクターやヴォイストレーナーとしての経験もあるらしくその実力は折り紙付き。同世代のMISIAや小柳ゆき、SILVAあたりを彷彿とさせるパワフルかつソウルフルな歌唱が特徴的で、今回紹介している沖縄勢の中でも特に高い歌唱力を持つ超実力派。
本曲「熱帯夜」はアルバム未収録ながらエキゾチックなグルーヴに陶酔必至の名曲。
他にもデビュー曲「biru pulau ~青い島~」やダンス☆マンプロデュースによるクイヌパナ名義の「WHITE」など名曲多し !
作品によっては結構高値がついていたり、市場でもあまり見かけなくなってきている気がしますね。
個人的に凄く好きなアーティストです。
bkoz 「真冬の魚」(2002)
bkoz(ビコーズ)は神戸出身のkosuke(上新功祐)とマレーシア生まれ、オーストラリア育ちのbenher(ベンハー)からなる実力派男性ヴォーカルデュオ。
両者とも沖縄出身ではありませんが、デビューシングル「南の島」など沖縄愛を強く感じる楽曲の数々は非常に滋味に満ちており聴き心地は抜群。
本曲「真冬の魚」はそんな彼らのレパートリーの中で最もメジャー感のあるR&Bミディアムバラード。真冬の寒空を連想させる美しいサウンドに彼ら独特の節回しが切なさを倍増させる名曲。
R&Bが内包するメロウな世界観と沖縄特有の今で言う「チル」めな質感を同時に味わえる1stアルバム「v!be」は必聴 !
ちなみにkosukeは現在、上新功祐名義でソロ作品もコンスタントに発表しています。気になる方は是非。
いかがでしたでしょうか?
今回は以上になります。
やはり90年代の沖縄出身ダンス&ヴォーカルグループは凄いですよね...
いつの時代も強力な若手が台頭する度に音楽シーンの進化を感じますが、この当時は特に若年のアーティストが多く、いかに90年代が勢いのある時代だったかを思い知らされます。
次回は後編になります。
最後までご覧いただきありがとうございます。
ではまた次回 !
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